Diary 飯塚裕之のお仕事日記。2004年4月
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4月1日(木)
 お久しぶりでございます。飯塚裕之です。
 この丸3か月、何をやっていたかと言いますと、今皆さんがご覧になっているコレです。
 ウェブページなんて、誰もがやってるものだから…と軽く考えていたのですが、これを「理解」しようと思うと、かなりの体力と時間を必要としました。…と過去形にしてはいけませんね。まだ「理解」してはいないのですから。
 とりあえず以前は市販の「ホームページビルダー」を使って、ソフトになすがままにされていた私ですが、昨年秋、「脱ビルダー」を志して、やっとこ自力でコードみたいなモノを書けるようになりました。それにしてもウェブページ作成のために必要な言語が、なんと多岐に渡ることでしょう。とりあえず大半は理解できたHTMLから始まり、理解半分のスタイルシートに数々のスクリプト…。BASIC以来、表計算のマクロ程度にしか接していないおじさんには大変つらい毎日でありました。まあ、その辺の苦労話は割愛しましょう。  かなり久しぶりだもので、書きたいことは山ほどありますが、それはまた明日にでも。  とりあえず、ページ作成のためにいろいろと相談に乗ってくださった方々に、ここで感謝の意を表します。ありがとうございました。《19:00》
4月2日(金)
 こんにちは。不具合修正やリンク修正に追われ、デザインまで手が回っていない今日この頃、皆さんは花見ですか? ああそうですか。そりゃいいですね。
 さて、留守の間、ボクはもう『白い巨塔』三昧でありました。田宮二郎版の旧ドラマをすべて仕事中に流しっぱで鑑賞し、山崎豊子さんの原作も全5巻読了。勢いに乗って、今は『沈まぬ太陽』にはまっております。
 ひょっとしなくても、『白い巨塔』より『沈まぬ太陽』のほうが面白いし、よくできているのではないかと思うのですが、今のご時勢にこれをドラマ化するのは難しいのかな。共感が得られないのかもしれないな。
 近日中に、コンテンツのひとつとして、「まんがの描き方」を始めます。ま、ウチのサイトでこれをやらねばしょうがないだろうということで、ボチボチと内容を増やしていく予定ですのでご期待ください。
 ウチで制作していて「少年サンデー」から発行されている「まんカレ通信」(まんがの描き方を指南するメルマガ)には、毎日毎日、腐るほど質問メールが送られてくる。これらをひとつひとつ、一般的疑問に置き換えて、少しずつ答えていく予定でもあります。なにせ「まんカレ通信」は週1発行で、当然ながら質問に回答できるのも週1本程度に限定される。それではもったいない内容も多く、さりとて一人一人にお返事を出すのは、質問者しか回答を得られないので効率が悪い。そこで、このサイトでできるだけフォローして行こうと思ったわけです。  ま、こちらは「まんカレ通信」とは一切関係なく、「一般的な質問に対する一般的回答」を掲載して行きます。ちょっとした裏回答もつけておく場合があるので、すれたお子様やひねた大人、そして「本気でまんが家になりたい方」は、裏のほうをしっかり読んでいただきたい。現実はそこにあるのです。かなり厳しい話もするが、おれの本音を聞いておけ(古)。《18:00》
4月3日()
 本日は例によって若干のサイトの修正をしてみた。それから「アカデミやんか!」のネームもボチボチと。
 ここのところ、自宅周辺の開発が著しい。ボクの自宅は横浜市のあざみ野というところであるが、最近周辺に巨大書店はできるわ、巨大ペットショップはできるわ、そして7日(水)にはプレシニア向けの飲食その他アーケードが完成する。プレシニアとは、曰く50代。なかなか美味しそうなお店がごっそりできるので、小学館のM木さんの眼が光ることでしょう。そして帰りがけに、斜向かいにある巨大書店にも誘い込まれ、大量の重い本を抱えているM木さんの姿が容易に思い浮かべられる。お近くにおいでの際には、うちにも声かけてくださいませ。
 それにしても、開発著しいあざみ野ではあるが、実はここはテレビのロケ地としてもよく使われる土地なのだ。古くは『西部警察』の、パトカーやヘリが丘を越えてゾロゾロ出て来る、あの印象深いオープニングがあざみ野だったらしい。
 ボクが越してきてから2年半の間に、ウチのマンション自体がフジ月9&NHK連ドラのロケ地として使われている。上戸彩ちゃんの『エースをねらえ!』のテニスコートは、「あざみ野ローンテニスクラブ」だと聞いているし、『白い巨塔』の白い巨塔、つまり浪速大学付属高度癌医療センターの工事現場は、あざみ野のマンション建設現場なのだそうだ。いちいち裏を取るのが面倒なので、「だそうだ」「だそうだ」と伝聞形式だが許されたい。
 ここまで、あまりにも内容がない。数で勝負するために、もうひとつトリビア。
「沈まぬ太陽」で、航空会社の機長が労働組合に所属してるような記述があるが、航空会社内での機長は「管理職」であるから、組合には所属していない。作品の背景となっている時代にはどうなっているのかわからないが、現在機長は、かなりの権限を持つ管理職なのである。 《25:00》
4月4日()
 すっかり忘れていましたが、今発売中の「小学六年生」(小学館)5月号で『ズボラーキングのばらちゃん』スペシャル(作画・兎野みみ)の構成をやっております。これはまあ、元からある同作品に乗っかって「エコロジー」について考えるというモノ。以下は「小学六年生」のサイトからの抜粋です。

・総力特集
 「ズボラーキングのばらちゃんの2004エコキッズ宣言」

 大切な地球と資源を守るには? 
 のばらちゃんと一緒(いっしょ)にエコロジーについて考えよう!

 とまあ、こんな感じの内容です。仕事としてのデータは、今週中にでも当該ページにアップするとして(今、データがないのでした。すみません)エコロジーに関してヒトコト。
 今回、このまんがのネームを作るにあたり、いろいろな資料を調べてみたのですが、こりゃ消費者レベルではどうしようもないということを実感。スーパーに行けば、刺身はスチロール製のトレイに乗って売られていて、これを拒否することは普通の神経では不可能だと思う。
「コンビニで袋の使用を断る」というエピソードが作品中で描かれているが、これもまあほとんど現実味のない話。仮に拒否したとしても、商品には必ずテープが貼られる。テープだって石油製品である。もちろんコンビニ袋に比較すれば、原料となっている石油は大した量ではない。しかしそれを言うならば、1台の自家用車が使っている石油(ガソリン)に比して、コンビニ袋1枚で使われている石油など微々たるものである。
「小さなことからコツコツと」やるのはとても大切なことだと思う。しかし、そのつましい努力は、営利目的の企業によって、「消費者サービス」という名目のもとで粉砕されるのだ。困ったもんだ。《24:00》
4月6日(火)
 昨日は私用で仕事は休み。本日は「まんカレ通信」の原稿チェックと『アカデミやんか!』のネーム。そして『沈まぬ太陽』(山崎豊子)第1巻・アフリカ篇・上、読了。面白すぎます。
 また、仕事中、映画『パールハーバー』を垂れ流しながら観る。情報というのは、見方によってずいぶん違うもんだ。アメリカ映画で描かれている鬼畜は、当然日本人。しかし間違いなく言えることは、殺し合いはイカンということだ。
 以前、うちにいた社員ライターが「オウム事件」についてこんなことを言った。
「あんな残虐な事件を起こす麻原は死んでいい」と。
 もちろんその意見には共感できない部分がないわけではない。しかし麻原の間違いは単に「人を殺した」ことではなく、「法治国家であるこの日本で人を殺した」ということなのだ。人が人を殺してはいけないと定義しているのは法律である。法のない国で人が人を殺しても、それは自然界の法則から言って間違いとは言い切れない。獣が獣を殺したからといって、それを裁く法がないのと同じことだ。そして人間界の法律の下敷きになっているのは、何を隠そう「宗教」なのである。人間の理性的行動は、すべて宗教で定義されていると言ってもいいだろう。
 話はそれるが、かつてある本に「なぜ人が人を殺してはいけないという取り決めをしたのか」という記述があった。その記述によると、「自分が絶えず殺されるという危機感に追われている状況は安寧とは言えない。だから、お互い殺すのはよしましょうという取り決めをした」と書かれていたと記憶している。それもまた一理ある。
 話を宗教に戻そう。
 人を殺してはいけないというのが「宗教」から来たものだとすると、麻原の「人をポアする(殺す)ことによって救済する」という宗教観に間違いがあるとは到底言えない。それが彼の「宗教」だからだ。 「人を殺すな」と定義したのが宗教であるならば、「人を殺すことによって救済する」のも宗教だ。そのどちらも否定することはできないのではないか。麻原の間違いは「人を殺したこと」ではなく、「日本という国の中で、日本という国の決まりを守らなかったこと」なのだ。《22:00》
4月7日(水)
 本日も基本的に『アカデミやんか!』な1日。
 うちのサイトは検索エンジンでどのように見えているのか、ということが気になり、とりあえず「iS Creative」で検索してみた。そうしたら出るわ出るわ、英語圏のページがゾロゾロ。当たり前なんですよね。普通の文中にも「Xxxx is creative xxxx.」なんていうセンテンスがあるんですから、それが引っかかっちゃってるんですね。こりゃ困ったもんだけどしょうがない。
 次に自分の名前などを検索してみる。一応ここの日記も引っかかっている様子。トップページが引っかかってこないのが、ちょっと困りものですが…。
 おかしかったのは拙著『まんが家になろう!』の「Amazon」でのページ。Amazonには「カスタマーレビュー」という、サイトでの書籍購入者が感想を披露できるコーナーがあるのだが、そこで書かれていた感想がとても感動的(あくまで個人的に、ですよ)だったので、ここに無断転載。

この本は、絵などをつかってわかりやすくかいてあるので、漫画のことがまったくわからない人でも、かんたんに上手に漫画が描けるようになります。ぼくもこれを見て漫画を描き、友達に見せたらとてもおもしろいといわれてうれしかったです。

 とのこと。書いてくださった方(…おそらくは比較的小さなお友達でしょう)には悪いのですが、笑ってしまいました。そんな素晴らしい本ならば、ボクも読みたい(笑)。
 その後、調子に乗って高校、大学の友達を、フルネームで記憶している限り、片っ端から検索してみた。ふむふむ、高校時代の同級生の秋山貴紀くんが静岡で「あきやま眼科」をやっているとな。仲良しで腕のいいバーテンダーである武蔵昌一くんは、カクテルやバーテン関連のページでその名前が散見された。武蔵くんは、かの『TVチャンピオン』でカクテル王選手権だかバーテン王選手権だかなんだかで優勝したつわものである。脚本家・ジェームス三木の息子であり俳優の山下規介くんは自らの手で「山下規介ファンクラブ」なるページを開設していた。彼は古くからの「パソコン使い」で、「ビッグコミックスピリッツ」誌でボクが連載していた『スピリッツネット』の読者であり投稿者でもあったのだ。そして「小暮隆」で検索すると、「2ちゃんねる」でヒット! これが誰であるかは、各自調べてみてください。以上、みんな高校時代の同級OR同窓生でした。《23:00》
4月8日(木)
 本日は朝から、少コミ編集部でアカデミア(新人まんが賞)の原稿を審査。その後事務所に戻り、同じく少コミの「アカデミやんか!」ネーム。やっとこ2話分完成。その後、少コミ11号分のレイアウトなどを始めたところで時間切れ帰宅。
 少コミ編集部が、小学館本社ビルの裏の比較的新しいビルに移った。厳密には少女誌編集部がすべて引越し、空いたスペースにかつて別ビルの中に入っていたスペリオール編集部、IKKI編集部などが入ることになったようだ。最近男の子向けの仕事をほとんどしていないので、本社ビルから足が遠のく。
 夕方、事務機リースの大塚商会の営業さんがやってきて、コピー機(厳密には複合機)を換えないかと言う。まあそろそろ換え時ではあると思うが、しきりにカラー機を勧められた。従来のカラー機は、印刷物を扱う我々には帯に短しであった。分解は4色で反射原稿として入稿するクオリティは出ないし、画像は写真のようなデータを印刷するのに最適化されているので、ベクトルデータを出力するには解像度が足りなかった。しかしまあ、モノクロ出力のレベルで今の機種よりも解像度の点で劣ることがなく、しかもリース代金が安いというのであれば、機種変更を断る理由がない。とりあえず見積もりを出させることに。 《22:30》
4月9日(金)
 久しぶりにのんびりお仕事。追われないってすばらしい。
 ちょいと少コミのレイアウトをやって、その後雑務。そして、たまった雑誌を読む。1年以上前のサンデーを5冊ほど消化。
 他人に言うと羨ましがられることもあるが、まんがを読むのもれっきとしたお仕事。お仕事として読むと、それはそれで大変なんですよ。仕事人のギムですから。
 ま、世間にはやりたくもない仕事を食べるためにやっている人も少なくはないでしょうから、やりたい仕事でご飯が食べられているので、それはそれで幸せなんです。
 夕刻より頭痛。極度の頭痛持ちなので、頭痛薬は手放せません。指定銘柄は「エキセドリン」。飲めば面白いように治る。
 本日、試しにMac(OS X)から更新してみる。 《18:40》
4月10日()
 アクセスログを眺めるのは楽しい。このサイトにジャンプしてくるために、検索サイトでどんな単語で検索したのかまで丸わかりなんですね。
 ある日は「白い巨塔 セリフ」でここまでたどり着いた人もいたり。またある日は「ジンメイチェン」でたどり着いた人もいたり…。
 …ということは、あざとい方法だけれど、ヒットしやすい単語を忍ばせておけば、引っかかりやすいということですな。やらないけど。
 検索単語の中で一番多いのは、やはり「めざせ まんが家」あたりなんですね。まんがの描き方のページを早く作らねばなりません。水曜までに形にする予定です。
 本日は書店で『日本のスイッチ』(慶應義塾大学佐藤雅彦研究室)、『ももこの21世紀日記N'03』(さくらももこ)、『「おたく」の精神史 1980年代論』(大塚英志)を購入。アマゾンからDVD『ゲロッパ!』が到着。確実に消化する速度よりも多いソフトウェアを購入しているなあ。映画は観ないうちにTVで放映されてしまうのだ。もったいないので頑張って消化しよう。
 そういや春になって新学期。『ピタゴラスイッチ』に新しい(観たことのない)話が続々放映開始された。もう少しで『ピタゴラスイッチ』のみのDVDが1枚完成する。なにせ15分番組だもので、なかなか本数がたまらないのが難点。 《25:00》
4月11日()
P1000018.jpg  先日話題にした「プレシニア向けの飲食その他アーケード」を冷やかしに行ってきた。その名は「遊・粋・知 三規庭」。開店直後の休日と言うことで、かなりの人ごみ。駅からそこそこ歩く場所にあるというのに、東急線の随所に広告を出しているらしい。きっと各社取材にもいらしていることと思います。
 今日のところは、あくまでも「冷やかし程度」でしか見ていないので、詳しいコメントは控えておきます。今後、各店に訪れた時には、詳細レポートをアップいたしますのでお楽しみに。特に小学館のM木さん。
P1000019.jpg  しかしこのあたりは、特に水害が多いという話を聞いたことがない。にも関わらず、遊水池が多い。そこかしこにある「空き地」と思しき部分は、大半が遊水池。いや、普段は空き地またはグラウンドとして機能しているので、この場合は池ではなく「遊水地」。大雨の時には、ここに若干の雨水を貯水して、少しずつ下流に流すのだそうだが、それにしても多い。うちのマンションの地下には巨大な遊水池があり、近所の中学校の地下にも遊水池。もちろん「三規庭」の地下部も遊水池となっている。だから「遊・粋・知」なのだ。ダジャレを言ったのは誰じゃ、まったく。
 とにかく、名前が「三規庭(みきてい)」だけに、M木さんは早めに出頭しなければならない運命にあるでしょう。(しつこい?)
P1000020.jpg  ついでと言っては何ですが、ちょうどその斜向かいにあるペットショップ「ペットフォレスト」と、書店「Kabos」の写真もお見せしましょう。最近何かと話題の「Turry's」も併設。
 写真が青いのは、うちのパソコンの画面のせいか。サイバーショットのせいか。春の空のせいか。
P1000021.jpg  そして、本日『沈まぬ太陽』(山崎豊子)第2巻読了。『白い巨塔』が映像化され、これがされなかった原因が、ここまで読んでよぉ〜っくわかりました。こりゃ無理です。途中までの人間ドラマ、エピソードの組み立ては確実に『白い巨塔』を超えていましたが、安易にまとめすぎてしまいましたね。というより、この小説は『白い巨塔』と同じ方法論でストーリー構成をしているように見えて、実は違うところに主眼があるお話なんですね。先日書いた「機長は管理職」ということも、その後語られておりました。失敬。
 さあ、次は「御巣鷹山編」だ!
 そして、言い忘れておりましたが、最近『包丁人味平』を読んでいる。ふらっと立ち寄ったンビニに、「ラーメン対決」のエピソードをまとめたペーパーバック的な軽装版コミックスがあり(小学館で言うところのMy Firstの仕組み)、これを戯れに読んだところで火がつきました。やっぱすごい作品です。昔のジャンプの作品はすごいですね。料理まんがというジャンルも確立されておらず、勝負まんがというのもポピュラーではない時代に、これだけの完成度の高い作品を連載するんですから。今でも十分通用する作品なので、まんが好きだと自認する皆さんで、まだ読んでいない方はご一読を。 《22:00》
4月12日(月)
 写真が青かった原因が判明! 昨日の写真はサイバーショットで撮ったのではなく、携帯のカメラで撮ったのでした。P900i。そしてこの携帯、オートのホワイトバランスがとてもおバカで、特にタングステン光の時に真っ赤になってしまうのだ。そんな時は手動でタングステン光モードに切り替えるのであるが、前回使用した時にタングステン光モードにしたまま忘れて外で撮影してしまったのでした。うっかりうっかり。
 パナソニックと言えば、ウチのDIGAもまだまだ未完成の域を出ない。
 録画したデータをフォルダに振り分けられないのか、とか、録画したデータにパスワードを設定できないのか、とか、データを分割する時に時間指定してそのシーンに飛べないのか、とかとか。今のバージョンはどうなっているのでしょうか? 興味のあるところ。特に深夜のお下劣番組を録画していると、昼間、幼児が勝手に観賞してしまう可能性があるので、暗証でロックをかけたい。『ピタゴラスイッチ』『ストレッチマン』の後に『怪しい××』は教育上よろしくない。これは恐らくかなりのユーザーにニーズがあるのではないか。
 本日は「まんカレ通信」35号を入稿。『少コミまんがアカデミア』11号のレイアウトと出力データの作成。そしてサンデーを5〜6冊読み、残りの時間の大半は、このサイトの新設コーナー制作に充てる。ほぼ完成したので、明日、アップロードいたします。お楽しみに。
 夕方、少年サンデー編集部から電話。例によって昨年末の映画『犬夜叉』をアニメコミックにするとのことで、今月後半から作業スタート。上下巻です。これまたお楽しみに。 《23:00》
4月13日(火)
 迂闊だった! 太字でかなり迂闊だった。
 『ER』の8thシーズン後半で、かなり興味を失っていた私は、昨日の夜、やっとIXの1話目を観賞。
 結論から言うと、『ER』は腐っても『ER』。やられた。降参。まだ観ていない人のために詳細は省くが、あそこまで追い詰めるのか。自分自身、まだ追い詰めが足りないと実感。『白い巨塔』で実感したはずだったのに。のど元過ぎると熱さを忘れますな。人間が忘却する生き物だとすれば、私はその代表格。大統領。最近では老人力にも磨きがかかって、『のばらちゃん』の入稿日まできれいさっぱり忘れていたほどです。A野さん、ごめんなさい。
 おっと、今日もひとつ忘れていたことが! またまた「小学六年生」で記事作りをお手伝いすることになったので、アニメ誌を買おうと思っていたのに忘れた。今回はアニメ特集らしいぞ。7月号って言ってたかな。とりあえず金曜日に打ち合わせなので、詳細は後日。
 本日は終日、サイトのあれこれ。「まんがの描き方」ページの「Q&A」を一部掲載開始。表は「まんカレ通信」担当のM浦が主筆。これは一般論として、とりあえず押さえるべき部分は押さえられているはず。特に初心者には常に言っていることである。
 さて裏はと言うと、飯塚です。まあ、すごく簡単に言っちゃうと、「まんがの描き方くらい自分で勉強しろよ!」ってことを細かく分けて書いているだけであります。小中学生のお友達は『まんが家になろう!』を読みましょう。女の子は『めざせ!!まんがの星』でも可。小中学生は、裏のページは見ないで夢を持ち続けてほしい。でも、現実は厳しいのですよ。プロって人たちは、みんなその道ではキ…なんですから。素質でも才能でもないんです。好きが高じないと無理なんです。病気の人たちに正気で立ち向かうのは無理なんです。 《23:00》
4月14日(水)
 『包丁人味平』(原作・牛次郎/作画・ビッグ錠)全10巻読了。っていうか、連載時にずっと読んでいましたが。
 そして、『鋼の錬金術師』(荒川弘)1〜7巻、本日アマゾンより到着。
 今日もアクセスログを眺めていたら、高校時代の友人が勤めている会社のドメイン名を発見。メールをしてみると、このページにつながらないと言う。で、聞き取り調査をしてみると、案の定日記に直接ブックマークをしていたようだ。他の方も、なるべくトップにブックマークをお願いしますね。更新に関しては、トップページにも必ず(忘れなければ)情報を記載しますので、購読チェックもそちらでOKです。N本くん、よろしく。
 ちなみに階層構造を変更したのは、HTMLなどのすべてのコードをアプリケーションを使わずに書くようになって、サーバーの中の構造も大幅に合理化したためです。日記に関しては、すべて/diaryディレクトリに突っ込んだので、そういうことです。
 現在、求人情報のページを制作中。フォームを使おうと思って、よいcgiを探し中です。よき情報をお持ちの方はお知らせいただけるとうれしいです。
 甚だ簡単ではありますが、本日はこの辺で。 《22:00》
4月16日(金)
 本来我が事務所は水曜定休のところ、私用のため、水曜出勤して昨日お休みしました。よって、1日おいての日記でございます。
 それで昨日は行ってきましたよ、「三規庭(みきてい)」へ。とりあえず巨大釜で、これ見よがしに飯を炊いている「大かまど飯 寅福」へ。その実力を評価すべく、昼の献立の中から選んだメニューは「昼の寅福特選御膳」!! 先付けとして、自家製寅福のきんぴら&漬物。刺身盛り合わせまたは牛ステーキ。前菜盛り合わせ、季節の小鉢三点盛り、茶碗蒸し。天ぷら盛り合わせに炊きたてご飯に味噌汁。コーヒーまたは紅茶付き。そんなこんなで3,680円。結構いいお値段です。さすがプレシニア向け!! お味のほうは、やはり間違っても若向けではなく、終始薄味の方向で。まあ好みとしてはボクの好きな部類に属するとは思うけれど、感動するほどの味ではなかった。茶碗蒸し内の鶏肉の味の印象が最も強く、もしこの店に鶏料理があれば、それはきっと美味しいんでしょうね。最後に「コーヒーまたは紅茶」って!! 和食屋の体裁をとっているんだから、最後はやはり美味しい日本茶が飲みたかったと思うのは、きっとボクだけではあるまい。荻窪「茶のイ」のような、売り物になる美味しいお茶を出してくれることを望むが、こんなところで密かに望んでいても実現されることはないでしょう。
 さて本日は、『犬夜叉 天下覇道の剣』の素材が到着。しかしながら、1時から延々4時間以上に渡って「小学六年生」の打ち合わせをしていたので、ビデオが観られず。明日に持ち越し。
 「小学六年生」はアニメ特集8ページ。最近のアニメにかなり失望しているボクとしては、新番組などは流してしか観てない(というか、早送りで絵だけ見てるって感じ)ので、担当者と一緒に知らないアニメのタイトルを前にして想像をめぐらせつつ作品をチョイスしたりして。
 ま、結局は『鋼の錬金術師』の特集をするための建て前として「アニメ特集」という枠組みを作っているようなものなので、企画でなんとかゴマカす方向で落ち着きました。恐らく子供向け雑誌業界初、アニメのプロデューサーの心得、みたいな方向でまとめていく予定。「アニメプロデューサーになろう!」みたいな方向性かな? クリエイターになりたい人向けの情報はよく見るが、プロデューサーを目指す人(いるのか?)向けの記事は見たことがない。折りしも東京大学でアニメプロデューサー育成の講座が開設されたのを受けて、その辺から攻めましょうということになったのでした。どうなることやら…。しかし、こんな企画が編集部を通るとは思わなかった。酔狂な編集長のためにも、頑張って面白くしてご恩返しをせねばなるまい。前回の「のばらちゃん」の汚名も返上せねばね。
 そして、本日特筆すべきことはもうひとつ。このサイトの更新を支えているVAIOノートが不調を訴えており、昨夜から「SONY」のロゴが表示されたところで止まったり、やや冷や汗状態で運用している。実は数ヶ月前から、「アウトルック(カタカナで書くとバカっぽいねー)」も完全に昇天し、メールチェックもおぼつかない状態でした。下手に復旧を試みると、ますますドツボにはまる可能性を考えて、だましだまし使っていたのだ。このへんはMacユーザーにはお手の物ですな。さすがに何とかせにゃならんと考え、オーバーホールに出すために、その間の仮運用機の購入まで考え、そしてその第1歩として、ソニーのサポートに電話してみました。
 吃驚仰天。さすが天下のソニー。1回の電話で、するっとサポートにつながる。このサポートへのつながりやすさだけで「ソニーにしといてよかった」と思えたほど。いや、大げさな話ではなく。これがYahooBBだと、最低でも30分は保留音を鳴らしっぱなしで待っていなければならないところだ。そして、そのサポートの対応がすばらしい! 親切丁寧とはこのことを言うのだ。というか、こちらの理解度、力量、知識量を読み取る能力が優れているのだろう。うまい具合に話のレベルををあわせてくる。
 ある程度パソコンを理解している人間に初心者向けの説明は回りくどいだけだし、まったくの初心者に専門用語で語られてもチンプンカンプンでしょう。ボク自身、とても中途半端にパソコンを使い、そこそこのキャリアがあるのですが、サポート担当者のしゃべりレベルがちょうどいいと感じたのは、初めての経験でした。恐らくは、サポートの手順書を見ながら読みながらの対応ではなく、その内容を記憶消化した後に、自分の言葉でしゃべっているからだと想像できる。
 ここで対比するために、アップルのサポートのひどさを挙げねばなるまい。これはいつかどこかでキチンと告発したいと思っていたのだが、ここで今暴露し、世間に問わせていただきます。
 もうかなりの期間、自宅でiMacを使用している。今の電気スタンド型のではなく、1世代前のタイプで、パソコンのプロダクトのみならず、日用品のデザインにまで多大なる影響を及ぼした、あの透明ボディのiMacである。テレビCMでは、コード1本で誰でもがインターネットに接続でき、誰もがパソコンで快適な生活を送れると思わせるようなニュアンスを演出した、あのiMacである。
 以下は、その「簡単」を売りにしていたiMacを修理に出そうと思った時の実話。
 店員が「お預かりした製品は、内部の修復のためにメモリやHDDの内容などが失われることがありますけれど、大丈夫ですね?」と、至極当たり前のことを言う。こちらとしては、当然そのために必要なデータのバックアップは取っていたが、それでも念のために「出荷時の状態に戻るんですよね?」と問いかけると、なんと「プリインストールされているソフトは失われる」と言う!!!!!!! 当時のiMacには「ポストペット」をはじめ、購入時から使える多数のソフトがバンドルされ、すぐに使えるようにプリインストールされていた。にも関わらず、そのオリジナルCD-ROMは製品に添付されていなかった。厳密に言うと、OS以外のアプリケーションは、出荷時のHDDにしか存在しないのである。これはどういうことかと言うと、つまり、故障が発生して修理を依頼すると、プリインストールされていたソフトをすべて失うことを意味している。そんなアホなことがありますか?
 一応そのように販売店に抗議したが、「アップルの方針なので」の一点張りで、取り合う気が見られない。
 最もユーザーフレンドリーなパソコンとしてCMされ、売られたパソコンは、ひとたび故障が発生すると、最も初心者ユーザーに厳しいパソコンに変貌を遂げるのだ。恐ろしい話だ。それ以来、ボクは道具としてMacを使うが、アップル社を信用しないことにしたのは言うまでもあるまい。
 そんなこんなで、ソニーのサポートの人に聞いちゃいましたよ。バンドルされてたソフトはどうなりますか?って。すると電話の向こうでサポートのお兄さんは優しい声で「大丈夫ですよ」と言ってくれた。その時、改めて強く思った。これからもソニーさんについていきます、と。
 長くなりましたが、横山光輝先生のご冥福をお祈りしつつ、本日は終わらせていただきます。 《23:30》
4月17日()
 アマゾンから『KILL BILL vol.1』『鋼の錬金術師1』が到着。
 とりあえず先日届いた『犬夜叉 天下覇道の剣』を観、DVD『鋼の錬金術師1』を観る。
 『犬夜叉』はなかなかよいデキ。先に「小学六年生」をやっつけなければならないので、ネームは恐らく来週後半からスタートになるでしょう。
 『鋼の錬金術師1』には、アニメの第1話、第2話が収録されているが、原作よりいろんな部分がふくらまされているし、お話の落としどころが違っているのが興味深い。この先どういう展開になるのか、とても気になる。仕事のために1巻だけ購入したものの、続きも買ってしまいそう。もちろんアニメのクオリティもかなりよいです。
 ここで、原作についても触れねばなるまい。原作(作・荒川弘)はまだ2巻しか読んでいないが、これはヒットしてしかるべき作品。非常に面白く、しかもわかりやすく、キャラも絵柄も魅力的である。何よりもファンタジーとしての設定がちょうどいいレベルでリアルなのである。これは「ウソのつきかたがうまい」と同義。
 そもそもファンタジー作品はメジャー商業誌では敬遠される。それは「ファンタジー」というジャンルを描破することはとても難しく、ヘタな素人が手を出すと陳腐な作品になってしまいがちだからである。
 なぜなら、まず第一に、ファンタジーの世界は我々が生活する日常とかけ離れた世界観を持つために、まず読者にその世界観を理解させなければならない。これは冒頭での字幕、モノローグなどの多用を招き(冒頭で延々状況説明するかったるいまんががよくあるでしょ?)、作品のスピード感を失わせる。冒頭でこれをやられると、大半の読者は参ってしまうのである。うまく処理しても、説明過多の作品になる可能性が非常に高い。
 そしてファンタジーの難しい点、その2は、その世界観に隙があると読者がしらけて現実に引き戻されてしまうということ。「こんなのあるわけないじゃん!」とか、「えっ? これってどういうこと?」なんてことが出てくると、それまでどんなに作品に没入していても、現実に引き戻されてしまうのである。この辺をうまく処理して、常に読者を納得させつつ展開させないと、読者はついて行けないのである。
 言うのは簡単だが、これらはとても高度なテクニックを要するモノで、これらが完璧に行われないと、ファンタジーは一部のマニアな読者以外には受け入れられないのである。
 『鋼の錬金術師』は、その辺がかなり手練れている。
 これを受けて、新人がファンタジーを描きたがる傾向が増すであろうことが、目下一番の心配だ。新人にはこれは描けません。よっぽど腕に覚えのある人か、ファンタジーが好きで、ファンタジーの裾野を広げようという気概を持った人以外は、手出ししないほうがいいでしょう。新人の作品を見ていて、ファンタジーが出てくると「ファンタジーかよ!」なんてカンジで、編集者は辟易するのです。まんが家志望者は、その辺、心得ておくといいでしょう。
 「まんカレ通信」36号を送稿。 《19:30》
4月19日(月)
 本日は1日中「小学六年生」の資料検索と構成。
午前中、事務機のリース会社・O塚商会(そのまんまですね)が来て、コピー機を交換。ついに無用の長物「カラー複合機」が我が事務所に登場した。むう…以前なら新しい機械ということで、目を輝かせようものだが、カラーコピーレベルの4色出力では、モノの役には立たないのがわかり切っているので、稼動状態を確認した後、ほとんど放置。
 直接は言いませんでしたが、技術担当の女性。ドライバのインストールなどは説明しながらしたほうがいいですよ。ある程度パソコンを使い慣れている人にとっては、パソコンは手になじんだ道具であって、他人がシステムをいじるのには敏感になります。何をしているのかだけでも言いなさい。っていうか、それ以前に、まず他社に出向いたら名乗りなさい。そして名刺を出しなさい。パソコン相手に黙々と作業するだけなら、単なるオタク女ですぜ。ホント、この人は社会人とは思えない非常識な人だった。
 一言もしゃべらず、黙々とドライバのインストール作業をしているのを背後から見ていたら、コピー(プリンタ)のトレイ設定を上から「B5」「A4」「B4」…と設定しているのを目撃。そりゃ一般的にはそうかもしれないけれど、ウチは上2段が裏紙の「A4」「B4」で、下2段がフレッシュペーパーの「A4」「B4」やっちゅうの! 無言で設定するなら、せめてトレイの状況を確認してからにしてくれ。そんな心配もあって、後ろから観察していてよかった。すかさず指摘したのは言うまでもない。そしてMacOS Xにインストールする時、「プリントセンター」という項目を探しながら「OS Xはあんまり詳しくなくって…」などと言うなっ! まがりなりにもそれで飯を食ってるなら、勉強して来い! 結局「プリントセンター」は見つからず、私が所在を教えました。
 まあ、こういう大塚商会を信用していないから、コピー機以外のサポートは契約していないんだけれどね。パソコンや周辺機器の扱いに関しては、ヘタにサポートに頼るより、自分で研究したほうが確実なのだ。あ、伏字にするのを忘れたが、このメッセージを大塚商会のどなたかが検索で見つけ出すことを期待しよう。でも改善されるという期待はしない。
 ついでに言っておくが、営業担当者。自分の会社の技術担当の女性を「女の子」と言ってはいけない。何が「もうすぐ技術担当の女の子が来ますから」だか。あなたは「営業担当の男の子」ですか? そんなことを言ってる内は、いつまでたっても一流企業の仲間入りはできませんよ。まったくもう。
 新しいコピー機のリース料金を「トナー代」込みにしたのは、アスクルから消耗品を買わせないためと見たり! 《21:50》
4月20日(火)
 『沈まぬ太陽』第3巻(御巣鷹山編)読了。一気に作品に対する失望感。でも、勘違いはしないで欲しい。決してつまらなかったわけではありません。この小説のスタイルって、どういうモノなのかというところに、大きな疑問符を抱きながらの読了です。
 1〜2巻・アフリカ編では、半強制的に労働組合委員長に祭り上げられた主人公が、その真面目さゆえに不遇な目に遭っていくというお話でした。会社という組織、組合について、なかなか考えさせられる内容でした。それは『白い巨塔』の裁判シーンや、大学病院内の派閥抗争と共通する面白さでした。行き詰る心理戦と巧妙な駆け引き…これが作品の中にぐいぐい引き込む原動力だったように思います。
 しかしながら、御巣鷹山編はどうでしょう。主人公は何もせず、単に現実にあった事故をなぞるだけというのは、この『沈まぬ太陽』の第3巻としてふさわしかったのでしょうか。しかも航空会社は、主人公・恩地元が勤務する「国民航空」。それ以外は現実の事故を、ほぼ実名を挙げて語っているのです。御巣鷹山に墜落した日航123便についての本はあらかた読んだボクにとって、事故の記録の再確認作業にはなったし、新たな側面を知ることはできた。けれど、読者としてのボクは、恩地元のドラマが読みたかったのだ。このカタルシスの弱さが、映像化されない大きな要因のひとつとなっているのだろう。
 本日は終日JavaScriptと格闘。 《23:00》
4月22日(木)
 国民健康保険のPRに、桜庭和志が起用されている。キャッチコピーは「ボクは、国保に何度も支えられました」だ。
 おそらくは大多数の人間よりも身体を鍛え、健康体であるにも関わらず、「国保に何度も支えられた」桜庭氏は、他人よりもケガをする確率の非常に高い危険行為を職業とし、多くの人から徴収した保険料で治療費をまかなっている。
 生まれつき身体が弱く、病院の世話になりがちな人にとって、保険は力強い味方だろう。そのために保険料を支払うことには何のためらいもない。しかし、ケガをする可能性の高い(むしろケガをしないほうが難しい)職業の方からは、それ相応の保険料を徴収して欲しいと思うのはココロの狭いボクだけか? 保険ってそういうモンじゃないの?

2004_0421AB.JPG  昨日は水曜日。事務所がお休みだったので、三規庭に再臨。
 臨んだのは、そば処「凛や」。昼間20食限定・凛や懐石松花堂「月山」(2,000円)をいただく。内容は写真を見ていただくとして、残念ながら味に関しては特筆すべきところはなし。デザートの「豆乳ブリュレ」が一番美味しかったという状況から、推して知るべしです。でも、「豆乳ブリュレ」は抜群に美味しかったので、興味のある方はどうぞ。

2004_0421AF.JPG  本日は『鋼の錬金術師』を7巻まで読了。あまり没頭して読めなかっただけに、どんどん深くなる世界観にアップアップです。でも、ちゃんと読んだら確実に面白いということはわかりました。キャラもすばらしいデキですな。きっと小学館の編集がコンタクトを取って、なんとか引っ張ってこようと工作しているに違いありません。ご本人にお会いしたいものです。
 「小学六年生」の企画で、アニメ『鋼の錬金術師』のプロデューサーの方にコメントをいただければ…という話になっている。これもまた楽しみな話だ。

 最後に『犬夜叉』情報(スタッフ向け)。スタッフの作業はGW明けに本格化する見込みです。5月10〜20日がピークとなる予定ですので、皆様スケジュールを空けておいてくださいませ。よろしくお願いします。 《16:30》
4月23日(金)
 本日は午前中、少コミ14号のレイアウト。午後からQ&Aの原稿をぼちぼち書く。Q&Aのページはすべてテーブルの高さをあらかじめ決めているんだけど、ついつい書きすぎてしまって入らなくなる。もういいや!ってことで、枠の高さを一部変更しちゃいました。
 さて、今日は特に面白いことがなかったので、『かいけつゾロリ』との出会いについて書こう。
 『かいけつゾロリ』と言えば、小学生低学年に人気の幼年絵物語である。最近では「プレコミックブンブン」(ポプラ社)などというコミック誌までできて連載されている。さらにアニメにもなって放送中である。この『かいけつゾロリ』とは、とても変わった出会いをしたのでご紹介しよう。
 あれはもう10年以上も前のこと。今の三軒茶屋の事務所に移る前、我が事務所はラーメンの街・荻窪にあった。その荻窪でも1度引越しを経験しており、出会いがあったのは旧事務所時代の話である。
 最初に借りた荻窪の事務所は駅の目の前、わずか20〜30歩ほどのところである。よくよく駅近物件が好きなのだということがおわかりいただけるかもしれない。そのマンションの7階に事務所はあった。
 事務所からエレベーターまでの間に、ちょっと目を引く表札があった。その表札は、普通の人が見たら何の変哲もない表札だ。書かれていた文字は「原ゆたか」。そしてそれが『かいけつゾロリ』の作者であるとわかるまで、かなりの月日を要したのだ。
 我が事務所と同じ階に住まう原さん。その表札の文字の並びを見て、ボクはピンときた。「これはカタギの人間が書いた文字ではない」と。
イラストレーターやデザイナーが書く(というよりもむしろ描く)文字にはちょっとした特徴がある場合が多い。具体的に言えば「美しく記号化されている」文字なのだ。この美しく記号化されている文字を見た時から、近所の原さんは普通じゃないと思っていた。
 そんなある日、平日の昼間にその部屋から出てきたのがご本人。平日の昼間に家にいるということ、そしてその時のいでたちを見たところ、「カタギではない」という思いは確信へと変わった。
 そんな遭遇が幾度となく行われ、また数か月が経った。
 ある日書店で、何かを探すともなく棚を眺めていると、そこに『かいけつゾロリ』。著者名…原ゆたかぁぁぁぁっ!? ウチの隣人と同姓同名。はやる気持ちを抑えつつ、著者近影を見ると、そこに写っていたのは、まさにあの男!!
 書店などで作品を見、興味を引かれたら作者名を覚え、そして著者近影などでご本人の顔を知り、街角などで出くわす…などというのが、一般的な作者との接触ではないか。ボクが大学時代、椎名誠さんに出くわしたのは、まさにそんな流れであった。が、これはまったくその逆。面白いこともあるもんですね。
 先日、「小学六年生」の編集さんとアニメの話をしていた時に、そんな出来事を思い出したので書いてみました。
 余談であるが、そのマンションにはサトウサンペイさんの仕事場もあったらしい。 《22:30》
4月24日()
 『沈まぬ太陽』、再び盛り上がり中。やはり「御巣鷹山編」はこのシリーズの中で書くべきではなかった。

 NHK教育の春からの子供向け新番組がなかなかよい。去年あたりから、NHK教育の番組はちょっと趣が変わってきている。UA(番組中ではううあ)が出ている『ドレミのテレビ』は頭のないぬいぐるみがシュールでよいし、『にほんごであそぼ』あたり、幼児の世界では大ブレイクした。元々『あそぼ』のシリーズは『英語であそぼ』という何の変哲もない子供英語番組から始まった。これ(英語〜)はオーソドックスな教育番組だったのだが、これをもじった『にほんごであそぼ』は『ドレミノテレビ』のシュールさを密かに継承している。そしてこの春から始まった『からだであそぼ』、パペットマペットがショートコントを披露している『わかる国語 読み書きのツボ』そして『わたしのきもち』の「まとばくん」は一見の価値あり。 《23:00》
4月26日(月)
 『ももこの21世紀日記』(さくらももこ)N'03読了。『言いまつがい』(糸井重里)購入。DVD『シンドラーのリスト』、アマゾンより到着。
 『ももこの〜』は相変わらずのさくらももこ節。今日はこの機会に、まんが家の書いた文章が、なぜ読みやすいのかについてお話しましょう。

 さくらももこを始めとし、まんが以外に文章を書いているまんが家は多い。古くは東海林さだお(現役ですが)、そして弘兼憲史、いしかわじゅん、石坂啓、柴門ふみなどが思い当たる。これらの方々がまんがではなく「活字の本」を出したならば、必ず読むようにしているが、まんが家の書く文章には共通点があることに気づく。  それは「読みやすい」ということ。

 話は飛ぶが、ボクは修行時代、師から「まんがは頭の悪い人も(が、ではない)読むものだ」と叩き込まれた。それ以前に、当時、世間の風潮は「まんがを読むのはバカ」であった。今ほどまんがが文化としては認められていなかったのだ。
 つまり、まんがを作る時、必ず念頭に置かなければならないのは、過剰なまでのわかりやすさ、必要以上の親切さ、だったのだ。
 まんが読者の底辺は広い。恐らくはほかのメディアの中でも、テレビと同じくらい広い。その底辺を余さず拾い上げるには、わかりやすく親切に構成する必要がある。そうしないと読者にそっぽを向かれてしまうのである。それでいて底辺だけに媚びず、上級者をも魅了する作品を、プロは作っているのだ。
 そんな訓練をデビュー当時から繰り返している作家は、「わかりやすくドラマチックに構成すること」が、身体の芯まで染み込んでいる。そんなプロの書いた本が、わかりにくいはずがないのである。いや、わかりにくく書け!と言っても、彼らには書けない。
 まんが家にはリズム感も必要である。セリフと絵をリズミカルに見せ、読むスピードと密度の緩急をコントロールする。そして、サービス精神がなければまんが家などやっていない。だからまんが家の書く文章は面白いのである。 《23:00》
4月28日(水)
 『沈まぬ太陽』第4巻・会長室編・上(山崎豊子)、『言いまつがい』(糸井重里)読了。
 『沈まぬ太陽』は、やっと本来の軌道に戻ってきた感高し。何度も言うようだが、「御巣鷹山編」はこのシリーズに収めるべきではなかった。エピソードとして必要だったかもしれないが、1冊使って描くべきエピソードではない。でも、「会長室編」も主人公は恩地元ではないんだよね。会長の国見が主人公ですね。
 かねてより調子の悪かった携帯、P900iをドコモショップに持って行く。メーカーからも不具合の報告が来ているらしく、交換となったが、在庫がないために入荷待ちに。今回の不具合は、折りたたみ部分の接触不良で、開閉時にいったん電源が落ち、再起動してしまうというもの。そういうことはメーカーからお知らせするなりしてくれよ。さすがに1日に50回以上もリセットかかれば交換に行くって! ハード的な不具合のため、ソフトウェア更新などでは対処できないので、該当機種をお持ちの方は、交換しましょう。ちなみにボクのは初期ロットです。N900iは、2度目のソフトウェア更新データを配布中ですので、該当機種をお持ちの方は、アップデートしましょう。わしゃドコモのサービスマンか。
 携帯電話のことを「ケータイ」と言うが、この略称はどうなんでしょう。高速道路を「高速」と言うから別にいいんですけど、携帯電話は略して「ケイデン」、高速道路は略して「コウドウ」と言っていただきたい。東京メトロはどう略したらいいのでしょうか? 「東メト」?

 そういえば東鳩がバンダイに吸収されて久しいが、商品企画、パッケージデザインがかなりあか抜けた。東鳩時代の味を維持して欲しいものです。東鳩、ギンビスは味に対して真剣に取り組む3大お菓子メーカーに入るとボクは思う。最後まで消費者に対する良心を失わずに頑張って欲しいモノである。ちなみにも うひとつのメーカーはロッテ。ロッテは別に応援しなくても自力で頑張れるからヨシとします。

 本日は「まんカレ通信」の新企画のサンプルをウェブ上にテスト構築。小学六年生の企画・構成。 《16:00》
4月30日(金)
 NHKのテレビアニメ『火の鳥』を観ている。
 以前から、手塚治虫作品のアニメは観ているが、最近の作品は「ちょっと違うな」と感じることが多い。それが何なのか考えてみたら、絵のテイストが手塚作品とは根本的に違っているのだ。
 いわゆる杉野昭夫氏の、あの「マッドハウス的・直線的・陰影くっきり斜線バシバシ系タッチ」と、手塚治虫の「まんが的でなまめかしい曲線」とは対照的ではないか。
 そもそも手塚キャラとは、単純化、記号化、誇張の激しいキャラであり、劇画とは対称に位置している。
 それでもアニメ『ブラックジャック』は、まあヨシとしましょう。暗い画面で直線的タッチで斜線が多くて…というのも、あの作品ならアリかと。

 手塚治虫が講演で、「絵の基本は円である」と言っていた記憶がある。すべての絵は円の組み合わせで描けるという、ディズニーから継承したメソッドである。このメソッドで描かれたキャラクターを直線で描いたら、まったく異質なものができあがるのは当然のこと。『火の鳥』の中でも、今回アニメになったエピソードならばギリギリセーフかもしれないが、『望郷編』のコムなどは、今のアニメのタッチで描いてほしくないなあ。『三つ目がとおる』や、『鉄腕アトム』も同様。彫りの深い女性キャラは手塚作品には似合わないと思うのはボクだけではあるまい。まんが家・田中圭一氏などは、特に強く思っているのではないか。

 本日は「まんカレ通信」37号入稿。残りは『犬夜叉』構成。「小学六年生」構成。
 そして携帯を交換。『日本のスイッチ』(慶應義塾大学佐藤雅彦研究室)読了。 《22:00》
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