2003年

12月4日(木)

 『三国志』(横山光輝)全30巻読了。いやあ、面白かった。世の中にはまだまだ面白いまんががあるんですねー。安心。勢い『項羽と劉邦』『史記』『水滸伝』を全巻アマゾンで購入。しばらく横山熱が冷めなさそうだ。そう言えば、少し前、ソフトバンクのK田さんが『バビル2世』やら『マーズ』やらを買いあさっていたなあ。みんなある時、ついついハマる横山光輝。日本一、馬がたくさん出てくるまんがかもしれない。
 『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子)1〜3巻読了。いや〜、非常に講談社的な作品。こりゃ小学館ではあり得ない作品ですね。主人公に好感は持てないし、シンパシーを感じない。そして誰が主人公か明確でなく、結局何が言いたいのかわからない。この作品の主人公は何がしたいのだ? 読み終わっても心に残るものがない。言うなれば、作品に背骨がない。しかし困ったことに面白いのだ。これでいいのか!?と思いながら、7巻まで購入してみる。ストーリーまんが風のギャグまんがだと思えばいいのか…。間違いなく歴史には残らない作品であるが、面白いからいっか。いいのか?
 仕事のほうはと言うと、『ガッシュ』難航。来週月曜からのアタリ作業はまだ確定できない感じです。

12月8日(月)

 『マッキントッシュ伝説1 マッキントッシュ誕生の真実』(斎藤由多加)読了。
 ボクが思うに、キーボードから電源スイッチがなくなった時点で、Macは古き良きMacではなくなったのだ。思えばPC-9801&MS-DOSが全盛の頃、電源スイッチがキーボードについているMacに初めて触れ、「手元でパソコンの電源が入れられる」という当たり前のコトに感動したものです。パソコンはもちろん家電製品ではないけれど、リモコンを持つ電化製品は、例外なくリモコンに電源スイッチがあるものです。これを当然のごとくやっているMacに畏敬の念を抱いたものです。今はと言うと、Windowsと何も変わりはしない凡百のパソコンになってしまったと言わざるを得ない。MacとWindowsのコトを書き始めたら、とてつもなく行数が必要になってしまうことになるので、ここでは割愛する。
 『のだめカンタビーレ』(二ノ宮知子)4〜7巻読了。大変面白うございました。1〜3巻を読んだ時と感想は変わらないので割愛。
 『水滸伝』(横山光輝)を読み始める。『三国志』よりも古い作品なので、まんがらしいまんが。ちょっとしたギャグとかが入っていて、力が抜ける。
 そして今週の『白い巨塔』を観る。いや、すばらしい。唐沢寿明もすばらしいが、石坂浩二がすばらしい! そして江口洋介くん、いい顔になったねえ。かつて『スピリッツ』で取材した時(彼は映画『七人のおたく』でパソコンマニアの役だったのだ)は、まだロン毛の兄ちゃんだった。掘りが深くて、目がキラキラしていたのが印象的だった。話してみれば、当時、彼は普通のそこら辺にいる若者だったが、それからずいぶん年月が経って、大人になったものだ。医者なんて役は、賢そうに見えなければできないだろうに、彼はすっかりそういう思慮深い顔になっている。キャスティングした人も見事である。
 さて、お仕事。『ガッシュ』はほぼ半分コマ割りが終了。明日からスタッフが入ります。木曜までにアタリを終わらせ、月曜までにデータ作業を終わらせましょう! たかだか1話分ですから、スタッフの皆さんよろしくお願いします。

12月17日(水)

 昨日は小学館少年サンデー編集部による年末謝恩会。例年ではコミック関係の編集部が合同で大々的な謝恩会を催しているが、今年は編集部単位で行われました。これも不況のなせるワザか。サンデーで18年も仕事をしている割りに、実はサンデー関係者(編集を除く)に知り合いは少なく、知り合いの大半はビッグ系で描いていたりするので、とても寂しいカンジであったのですが、しばらくして万乗大智先生と遭遇。後半はとても楽しいものとなりました。
 そうそう、すっかりご無沙汰している間に『水滸伝』(横山光輝)全6巻読了。そして現在、『史記』の5巻目を進行中。これがまた、小学館らしい作品。取っつきは悪いが、読めば面白い。でも残念ながら、潮出版の横山作品のほうが、エンターテインメントとして優れていると言わざるを得ない。それは恐らく、横山光輝が自由に描いているからなのだろうと推測される。『史記』はどちらかというと「企画モノ」という香りがただよっていて、編集が「仕事をしてしまっている」のだ。こと、この類のジャンルに関しては、作家の好きなように描かせるというのも、作品を面白くするひとつの要素であるのだなあ、と思った。