2003年


9月2日(火)

 朝からスタッフの描いたフキダシをチェック&リテイク出し。先は長いが、これがどう直ってくるかで仕事の適性がわかる。その後、少コミ『アカデミやんか!』のネームを1話分修正し、その勢いでもう1話分作る。続いてサイトの画像をちょっとだけ差し替え。こっちも先は長いぞ。このサイトの2大目的は、iS Creativeのお仕事案内に加え、大容量データのやり取りなのだ。ダウンロードフォームを作ってパスワード設定をして…などと言うのはいつになることか…。
 現在、遅ればせながら『バカの壁』を読んでいる。この本どうなんですか? って読んでる本人が聞くなって? だってどう読んでも100万部を超える内容ではないと思うのだけれど…。この本を読んでわかったことは、「本はある程度まで売れると、内容に関係なく爆発的に部数を伸ばす」という当たり前のことくらいのモンだ。こんな読みにくくて理屈っぽい本を100万人以上が好んで読むとはとても思えない。この本を買った人は、「何を売っているのかわからないけど行列があるからとりあえず並んでみた」という人が3割、「オレはこれを読んでいるからバカではないという暗黙の主張のため」という人が3割いると見た。つまり、純粋にこの本が読みたくて読んでいる人は40万人か、それ以下であろう。それなら納得できる数字かも。作品的には好きではないけど、『ハリーポッター』を好んで読む人のほうが信用のおける「いい人」だと思う。

9月5日(金)

 先日のなぞなぞの答えを書くのをすっかり忘れておりました。答えは「きのこ」。意外とつまらない答えですみませんねえ。
 本日はほぼ丸1日をこの『小学二年生』のなぞなぞに費やした1日でした。いや、厳密に言えば、『ガッシュ』3巻の画像データで不備があったため、そのデータを印刷所にメールで送ったり、4巻用のデータを持ってきてくれたコスモ・スタジオのO沢さんとちょっとおしゃべりをしたり…ええ、それはもうイロイロでしたよ。少コミのネームに若干の直しが出たけれど、ちょっとそれは後回しにして…。
 ところで、O沢さんと共に不思議がっていたのは、同じデジタルベータカムの素材から画像をキャプチャーしても、『ミルモ』と『ガッシュ』では、かなり画質が違うということ。先日、サンデーの編集部で、担当者に「画像がかなりきれいだ」と言われ、「なるほどそう言えばそうだな」と思っていたので、そのからくりを聞こうとO沢さんにぶつけてみたのだ。しかしO沢さんは『ミルモ』も『ガッシュ』も同じ方法でキャプチャーしていると言う。どちらの作品も、おそらく同じツール(レタスであろう)で作成されていて、同じようにデジベに落とされている。つまりもし画質に差ができるとしたならば、レタスの設定が違うのか、デジベに落とす際の技術力、または機材、もしくは設定が違うということになる。それにしても、『ガッシュ』の画質の良さには、東映アニメーションのH毛さんまでもが驚いていたというのが、ちょっぴりおかしい。
 近日中に樹想社制作で、同じ東映アニメーション制作のアニメ『ONE PIECE』関係本が出るらしいが、これまたコスモ・スタジオさんでキャプチャーするそうなので、『ガッシュ』との画質の違いに興味津々である。

9月6日(土)

 DVD「王様のレストラン」を購入。やっと出た感がもっとも高いタイトルですね。三谷幸喜作品の中でも、とりわけ完成度が高い作品だけに、みんな待っていたことでしょう。
 多くの…というか、クリエイターであればすべての人が、いい作品に触れた時に思うことは「作品内容に対する感動」ではなく、「作品の品質に対する感動」なのである。「くそー、こう来たか!」と思わせてくれる作品こそが、クリエイターにとって、もっとも「面白い」と言える作品なのだ。それと同時に、「とてもくやしい」作品なのだ。
 こういう言い回しをしたくはないが、最近の若い<自称クリエイター>は「作品の内容を面白がっちゃう」レベルの人が多く、げんなりである。たとえば自分が一番好きなTV番組を見て、皆さんはどう思うであろうか? 単に「面白い」と思える人は、そのまま一生「受け手」でいることをオススメします。そのほうがずいぶん幸せな人生を送れます。保証します。なまじ「面白い」と思えたからと言って、その制作現場に足を踏み入れたり、そんな作品を作ってみようなんて思った日にゃ、きっと想像とあまりにも違う世界に唖然とするでしょう。それは「送り手」となるためには、「面白い」と思ったら、その次に「どうしたらその面白いと思えるものを作れるのか」ということを考えなければならないからです。ちなみにプロは「面白い」と思う前から「どうしたら…」なんてことを考えながら作品に触れるので、純粋に作品を楽しんだりすることはできない身体になっています。これは悲しい職業病。つまり、「受け手」と「送り手」には、作品の見方に差があり、その差は、なまなかな気持ちでは埋めることができないということであります。
 「王様のレストラン」の脚本はまさに盤石。泣かせの手法ひとつ取っても、教科書に載せたいくらい美しく、それをかの松本幸四郎が演じているのだから、これはもう家宝ですよ。
 最近、TVを観ていて、もっともくやしい思いをしている番組はNHK教育の「ピタゴラスイッチ」。この番組を観ていると、「これは本来ボクが考えるべき企画だ!!」と絶叫したくなる。くやしいよなあ。佐藤雅彦はうまいよなあ。それでもめちゃめちゃ好きで、ビデオに録ってまで観ている。ああくやしいくやしい。
 という具合に、好きな番組(作品)を観て、くやしいと思えない人は、クリエイターにならないほうがよいです。自分が感動できるものに触れた時、「本当ならこの感動はオレがみんなに与えるべきものだったのに! ずるい! くやしい!」というのが、クリエイターの重要なひとつの原動力であるからです。

9月11日(木)

 仕事ばかりしている。
 『小学二年生』の付録がとにかく難物。なにせ「ダイアリー」でありながら、毎日1問ずつキャラに絡めた「なぞなぞ」あり「おまじない」あり「心理テスト」あり、なのである。大量の「なぞなぞ」類を見開きごとに固まらないように分散させ、かつ男の子向けと女の子向けをバランスよく配置する。「なぞなぞ」作りよりも、全体構成のほうがかなり大変な作業だ。さらに加えて、来年はうるう年。「なぞなぞ」も例年より1問多く作らなければならないというオマケ付きだ。その間に、やっぱり『少コミ』のネームの直しがあり、『Judy』の企画を漠然と考え、そして迷惑メールに悩まされる。
 最近の一番の問題は、この迷惑メールなのだけれど…。困ったもんだ。
 DoCoMoもDoCoMoだが、すべてのPCのメールソフトについても文句を言いたい。メールアドレスを偽ってメールを発信できる今の仕組みはいかがなものでしょう? 件の迷惑メール、すべて@docomo.ne.jpから来ているが、当然携帯から送信しているわけではない。DoCoMoは迷惑メール防止のために「携帯端末から一度に発信できるメールの数を制限する」という政策を発表したが、これがいかにピントはずれな政策であるか! そして毎月何通かのメールを無料にするという政策も採って久しいが、それ以上のペースで迷惑メールが来ていることについて、どう考えているのか。
 きっとDoCoMoは「メールアドレスを変更しろ」と言うに違いない。しかしアドレスというものは、そうやすやすと変更するものではない。ポストにDMが入ってくるからと言って、引っ越しを考えるアホはいないのである。こちとら名刺にもアドレスを刷り込んでいる都合上、変更するためにはコストも含めてモロモロの問題が発生する。
 iモード機能付き携帯電話を利用する誰もに損害を与える、こうした迷惑メールについて、警察は動かないのか。
 ちなみにDoCoMoは、迷惑メール専用の窓口を最近設立し、苦情の受付を開始している。そこに苦情を送ったのが8月23日。未だ何の回答もない。近日中に、送ったメール内容もここで公開してみたりするので、しばしお待ちを。
 今はとにかく「なぞなぞ」なのである。

9月13日(土)

 すっかり忘れていたが、『バカの壁』読了。結局この本は何が言いたかったんだ? 誰か教えてください。各論は非常によくわかるし、所々に出てくるデータはとても勉強になった。しかし、それで結局何が言いたかったの? もっと「バカの壁」について掘り下げてほしかったなあ。結局この本は知的エンターテインメントではなかったのだろう。紛らわしいタイトルである。
 『あの娘は石ころ』(中島らも)読了。いつも通りの面白さ。だがしかし、その前に読んだ『心が雨漏りする日には』『牢屋でやせるダイエット』はもっと面白かった。
 『ヒカルの碁』(原作・ほったゆみ/作画・小畑健)22・23巻読了。『ヒカ碁』はやっぱり面白いなあ。でもヒカルは強くなりすぎて、そして大人になってしまったので、このまま連載を続けることは難しいのだろう。『ヒカ碁』イラスト集『彩』はデキがイマイチでしたね。『LOVE SONG 2002』のほうがよくできていてホッとしました。増刷はまだかからないんだけど…。
 『プライド』(一条ゆかり)1巻を読む。すっげー久しぶりに読んだ一条ゆかりであるが、この人もやっぱりうまいわ。古くさい少女まんがの文法は、ちょっとばかり読みにくかったけれど、キャラ配置やエピソード展開の仕組みが秀逸! これがプロの仕事なんですね。
 『ルナハイツ』の星里もちる先生と電話で話す。まんが家と編集者の話、今はまだ明かせない企画の話などする。まんがに限らず、すべての企画は考える時の心理状態と、それを整える環境がとても大事なのである。
 「なぞなぞ」は佳境に入った。来週は入稿のためのあれこれと、劇場版『コナン』の日々になるでしょう。おっと、D製紙さんに『ルナハイツ』の取材アポを入れないと! メモメモ。

9月16日(火)

 『ER』の8thシーズンが最終回を迎えた。ベントンはいなくなるわ、グリーンは死ぬわで、もうなんか見なくてもいい番組になりそうで怖い。思えば事務所と自宅にBSの受信設備を入れたのは、他ならぬこの『ER』のためだった。全米で占拠率45%を記録した、このマイクル・クライトン原作の医療ドラマは、かねてからのクライトン好きなボクには、必ず観なければならない番組だった。
 7thシーズンまでのキャラ配置は、まさに盤石。お互いがキャラの個性を活かし合い、そしてお互いの欠けている部分を埋め合って、息をもつかせぬ展開で緻密な人間ドラマを見せてくれた。
 だがしか〜〜〜し! この8thシーズンはどうだ? 櫛の歯が抜けるように古くからのレギュラー陣がどんどん抜け、ついにはカーターくんと共に主役を張っていたグリーン先生までもがいなくなってしまうとは! ルイスを戻しても、焼け石に水なのである。
 ロスの代わりにコバッチュを、ベントンの代わりに新しい黒人の学生を、とにかく欠けたキャラを補うために似たような設定のキャラを放り込んでいるとしか思えないやり方に、ややうんざりしている。それじゃあ何かい? グリーンはロマノとハゲキャラがかぶったから殺したってのかい?
 ERレジデントのグリーン、学生のカーター、辣腕外科医のベントン、女たらしの小児科医ロス、女医ルイス、自殺未遂の看護婦ハサウェイ、そしてその後、HIVに感染した理学療法士のブレ…よくもまあ、これだけ雑多な組み合わせを考えたモノだと言うほどのバリエーションだったが、今はどうなんでしょう? 数はそろっていても、コバッチュやジン・メイ・チェン、アビーにだって感情移入できないっつーの。フィンチって誰? これからの楽しみは、コーデイが次に誰と付き合うか…くらいなモノですな。
 ところで「なぞなぞ」は佳境状態で継続中。まだ佳境かい!

9月17日(水)

 やっております「なぞなぞ」を。ただいま日付変わって18日の4時であります。やっとこ4月まで終わったんだけど、あとこの倍もあるのかあ。くそー。でも、今日はもう寝ちゃうのさ。おやすみなさい。ぐー。

9月19日(金)

 今日も今日とて「なぞなぞ」な日々。ってゆーか、「なぞなぞ」自体はもうほぼ終わっているのだが、問題は「今日は何の日?」というコーナー。字数少ないクセに、有名人の誕生日だの、記念日だのをネットですべてチェックしつつ整理しなければならぬのだ。これがめっちゃ時間がかかるクセに、最終的に目に見える成果が薄いという困りもの。ま、いいのだ。この辺は最終的に形になった時の自己満足でもいいのだ。 しかし付録とは思えない完成度と密度の濃さ! でも、これだけ苦労して完成度を上げても、学年誌は予算があまりないのさ。るるる〜。
 怖れてはいたが、昨日、少コミからネームの催促が。想像はしていたが、これが今、一番困るのだ。今週いっぱいは『小学二年生』で、さらに劇場版『コナン』が今月末あたりに入稿なのだ。ざっと計算してみたら、『コナン』1冊作るのに、最低でも6日の作業拘束が必要になる。月曜から休日返上して作業しても、金曜までかかる計算だ。その間、きっとアレやコレやの雑用的仕事が発生して、ギリギリで見積もっても、構成だけで月末までかかってしまうことになる。そんな折の『アカデミやんか!』 である。
 アニメコミックとか、その他の作業はある意味ルーティーンな作業なので、時間の読みがきく。しかし『アカデミやんか!』でやっているのはまんがのネームなので、調子がよければ30分で終わる場合もあるし、できなければ2時間やっても3時間やってもできないのだ。集中できない状態で進めていくと、丸1日かかったりしてしまう。わずか3ページであるだけに、情報とネタの取捨選択に時間がかかる。とりあえずは22日の月曜日を『アカデミやんか!』に充てることに。これで確実に『コナン』が1日ずれ込む。スタッフの皆さん、作業は恐らく25日(木)あたりからだと思われますよー。それまで待機でお願いしまーす。

9月21日(日)

 面白い話を聞いた。
 携帯電話の「人口カバー率」というのは、各市区町村の役所が基準になっているらしい。たとえば過疎の村であっても、その村役場が通話エリアに入れば、その村に住民登録されているすべての村民がカバーされたことになるらしい。実際に山の陰に住んでいて、携帯電話が使えなくても、村役場で使えれば、その人はカバーされたことになる。
 同じように地下など、電波が入らない状況であっても、その地域の地上が通話可能エリアであればカバーされたということになるのだそうな。
 FOMAはすでに、首都圏でのこの「人口カバー率」が99%に達したそうだが、相変わらずボクのFOMAは2割方圏外で、全体で3割強程度が通話不能である。つまり、「肝心な時に使い物にならない」ということだ。
 これについてもイロイロ言いたいことはあるが、今はそんなことをまとめている時間がないので次の機会に譲らせてもらうことにする。
 さて、今日は早寝して、明日からのハードワークに耐えるのだ!(…と言ってる今はすでに午前3時)
 でも、「なぞなぞ」はほぼ完了しました。お疲れ様〜!(自分に)

9月22日(月)

 ボチボチ「工事中」の看板を下げて、公開でもしてみっか、と思って、知り合い関係にリンクのお願いをしたところ、反響が想像以上で、ちょいビビってます。サイト作っても、できれば公開したくなかった…なんてワガママ。自己満足で十分だったのに、見られていると思ったら、好き勝手なコトを書けないという恐怖にさいなまれています。
 ま、とりあえず「日記であるからには毎日更新をせい!」という「ビッグコミック」のM木さんの声に従い、少しだけ努力してみることにします。でもあんまり期待しないでくださいな。
 本日は『コナン』のネーム(フキダシに入るセリフのほう)を出力し、『まんカレ通信』の8号をやっつけ、『アカデミやんか!』のネーム(こっちは絵コンテのほう)を1話分作る。そして「二年生」のなぞなぞを出力。
 最後の仕上げとして、「JUDY」の企画を実現に向けて進めるために、編集部と作家に電話。ちょっとこれは面白くなりそうですぞ。

9月23日(火)

 秋分の日です。でも、ボクは仕事をしています。
 とりあえず『コナン』がスタートしました。一応ウチ独自の締め切りとしては、月末入稿ということになっています。印刷所的には来月の10日入稿で間に合うことはよぉ〜〜っくわかっているけれど、それでもウチは安全のため、毎月月末入稿のつもりで動いています。これはウチが「偉い」わけではなく、ゴールデンウィークやお盆、年末などのイレギュラーな進行にスケジュールを乱されたくないからです。常に10日早い進行であれば、とりあえずちょっとした印刷所の連休や事故にも耐えられるからなのです。
 それにしても、月末まであと1週間。本当にできるのかぁ? そりゃあ、過去には1週間でアニメコミックを入稿したことはある。でもそれは他の仕事があんまりない時だったような気が…。現在、10月3日入稿を目指して、鋭意頑張っております。と言うか、実は1週間でアニメコミックができるなんて、あまり大声で言ってはいけないんです。大きな声で言うと、編集部はそういうスケジュール前提で依頼して来ないとも限らないし、「な〜んだ、簡単なんじゃん!」なんて思われたらもっと困る。そして、ウチのみならず、他のプロダクションさんも困ってしまうのです。それはナゼか?
 通常、アニメコミックというと、普通のムックよりも手間ヒマがかかると認識されています。それはその通り。アタリを取る写真の点数だけとっても、1冊で800〜1000カットもあるのです。もちろん構成するためには、まんが構成のノウハウが相当必要です。これがどこのプロダクションでも、アニメコミックを作るのには二の足を踏む所以です。そして一部のプロダクションが制作しているアニメコミック以外が「まんがの体裁をなしていない」所以です。
 独自調査によると、ヨソのプロダクションが構成に「1冊1か月3名体制」ほどで作業しているのに比較して、ウチは「1冊10日1名体制」で作業しています。実はこれがクオリティとスピードの秘密なのですが、これ以上の制作ノウハウに関しては企業秘密ということにしておきましょう。
 そんなわけで、ウチがあんまり短期間で制作してしまうという事実は、一般的に制作に相当な負荷がかかると認識されていることと相反し、制作コストの価格破壊にまで発展する可能性があるわけです。早いのはウチだけですよ! 本当はとても大変な作業なんですよー!と、フォロー。
 とにかくアニメコミックを作ることにおいては、恐らく日本で一番早く、そして間違いなく日本で一番ハイクオリティなモノを作っていると自負しています。「アニメコミックなんてまんがとして読みにくいじゃん!」なんて思っているアナタ、ウチの制作物を読んでみれば、その価値観は確実にひっくり返りますよ。過去に『ポケモン』のキャラデザインをやっている杉森建くんにアニメコミックの『コナン』を読んでもらったら、ちゃんとまんがとして読めることにびっくりしていました。それに比べて『ポケモン』のデキに…なんてことはここでは言うまい言うまい(言っとるがな!)。

9月24日(水)

 本日はウチの事務所の定休日であります。ウチと仕事をした方ならご存じだとは思うが、ウチはちょっと変則的な休日の取り方をしている。つまり、毎週日曜と水曜がお休みなのだ。
 世間では土日連休が一般的であるが、そんなところで連休を取って、皆さんどのように休日をお過ごしなのだろうか。その2連休を旅行などに充てる方はどれくらいいるのでしょう? 考えられるパターンはいくつかある。おそらくは金曜の夜にはしゃぎすぎて、土曜の半日をベッドの中で過ごし、午後から家の雑用をこなし、日曜日も同様のパターンを取るか、土曜に遊びに行った疲れを日曜に癒すか…そんなもんでしょう。
 ウチの日曜水曜定休は、とても合理的。まず月曜火曜と仕事をし、1日休む。そして木曜金曜土曜と3日仕事をし、1日休む。週の前半も後半も疲れがたまらず、仕事の効率も上がるというワケだ。さらに土曜は編集部やクライアントがお休みなので、電話等の応対に煩わされることもなく、また水曜は平日なので、行楽地や繁華街などが比較的すいているというオマケがもれなくついてくる。世間の皆さんは、是非このシステムをマネしないでもらいたい。ナゼかと言うと、世間がみんな水曜休みにしてしまったら、ウチが水曜休むメリットが損なわれるからである。
 なーんて言いながら、本日は休日出勤しています。『コナン』は現在60ページ目まで構成完了。『二年生』の表紙に使うイラストデータを受け取り、複製をCDに焼き、デザイナーさんにバイク便で転送。本サイト用の案内MAPをちょっと描く。D王製紙の開発部に電話をし、『ルナハイツ』用に生理用品関係の取材。星里もちる氏に報告。そんな感じ。
 明日の午後からはスタッフを入れるつもりなので、にぎやかになりますよー。


P.S.現在発売中の「ビッグコミック」増刊号の星里もちる読み切り作品『パパ!あっちもこっちも』は絶品! 不覚にも、久しぶりにまんがを読んで笑ってしまった。もちろんボクが星里家の家族事情を知っているから…ということも少なからずあるが、全体的にボクの好みではない作品が多い当該誌において(作品が悪いと言ってるワケではない。ボクの嗜好と合わないだけです)、『パパ!あっちもこっちも』はど真ん中ストレートの痛快作品でした。星里先生は言うに及ばず、「ビッグ」のN堀くんも偉い! M木さん、N堀くんに「よかったよー」って伝えておいてください。特にタイトルが絶品! 星里さん、タイトルうまいよね。

9月25日(木)

 『コナン』『コナン』『コナン』『二年生』『コナン』な1日。
 午後から入るスタッフが作業できるように、昨日までに構成が終わったページのフィルムを切り出す。その後、続きの構成。本日は110ページまで完成。
 編集部からもらった「アフレコ台本」とビデオ本編の中のセリフに食い違いが2割強程度あり、これがとてつもなく作業の進行を妨げている。これ、本当に「アフレコ台本」っすか? 違うよね、きっと。これじゃアフレコできないぞ。今後はやはり「修正台本」と指定して受け取らないとイカンと反省。ってゆーか、それをくれるのが当たり前なんだけどね。
 そんなわけで、セリフの違う部分をいちいち修正しながら構成を進める。
 途中、『二年生』の付録の表紙まわりのラフを描かねば!と思い、ちょっと進めてみるも、『コナン』に脳みそを吸い出されていて廃人状態。仕方なく、共同構成をしているA野さんに泣きつく。だいたいの方向性を電話で決めて、あとはよろしく〜!ということに。肩の荷がおりました。
 『コナン』に集中しているように見えて、実は『ガッシュ』4巻のトビラに入れるイラストがまだデザイナーさんに渡っていないとか、スタッフリストを作らなければ!とか、何やかんやで集中できず。本日の成果はわずか50ページと相成りました。
 あー、こういう日記はつまらないだろーなー、と思いつつも、他にイベントがない上に、廃人なので許してたもれ。

9月26日(金)

 なんと『二年生』付録の初校が出校! 日記どころではない!

9月27日(土)

 今日は仕事を休み、私用で近所の小学校の運動会を見てきた。
 今どきの運動会では「児童に優劣をつけるのはイカン!」などと言って、順位を決めない小学校もあったりするとか。徒競走でみんなで手をつないでゴールなんて、気持ち悪い。そのくせ、テストや通知票はあるんだから、学力で優劣をつけることについては、どう考えているのでしょうか? とりあえずは、今日の運動会ではキチンと勝ち負けを決めていて、ひと安心。
 しばらく観察していると、その小学校では、全校生徒を縦割りに3チームに分け、それぞれ赤、青、黄色のチームで様々な競技を競い合う仕組みになっているらしい。折しも目の前では3・4年生による80m徒競走が展開されていた。
 そこで、妙な光景に気づく。
 その徒競走で走っている子供達の組み合わせがおかしい。
 最初に気づいた組み合わせは、5人編成で、赤2人、青2人、黄色1人が同時に走っているではないか! これでは明らかに黄色不利。そして次の組でも、またしても赤2人、青2人、黄色1人。
 まず、5人で走らせるのがおかしい。コースを数えてみると、6人走れるようにラインが引かれている。当然、赤、青、黄、無作為のメンバー2人ずつ走らせてこそ公平と言えよう。しかしながら、きっと後で黄色有利な展開も用意されているに違いないと観察を続けていると、今度は6人編成で、赤2人、青4人で走っているではないか! おいおい、黄色には得点のチャンスも与えられないのか?
 その後、しっかり黄色ばかりの編成で、レースも展開されたのだが、この配慮のなさは何であろう? 児童に優劣をつけるならつけるで、まず公平で公正な状況を与えてから競争させてやれよ。
 最後まで競技を見続けたわけではないので、その後どういった競技でどういった配点がなされていたのかは定かではない。しかし、あまりにも無知で無垢な子供達に対して、明らかに不公平な状況で競争をさせ、その勝敗に一喜一憂させるというのは間違っている。キチンと期待値計算をしなくたって、基本グループの内訳に偏りがあったら、その結果は公正でないことは明らかじゃないか!
 いっそのこと、教師がトトカルチョを実施し、真剣に勝敗について考えた方がまだマシだろう。自分の賭けたチームが不利であれば、イイ大人がその旨申し立てないワケがない。
 常日頃から、「学校はおかしい」と思っている。あまりに無知な子供をバカにしている。その競技や、その大会自体が不公平の上に成り立っていることに気づかない子供達に悲しみさえ覚える。
 「学校がおかしい」(大学編)も近日公開しよう!

9月29日(月)

 怒濤の週末を乗り切り、今日の秋空のようにすがすがしい気持ちでいっぱいです。
 ここんとこ、仕事の内容に触れていなかったので、ここで総括。
 昨日までに『二年生』仕事はほぼ終了。…というか、まだ入ってないイラストもあるし、ネームの直しも若干あるものの、日曜出勤で徹底的に赤を入れたので、一応これで直って校正紙が出てくればかなり楽なハズ。あとはDTPオペレーターの腕前にかかっていると言っても過言ではないでしょう。ちなみに初校のセンスはボロボロ。ちょっと次の校正にも不安はある。
 そして『コナン』は、本日構成が終了! あとは160ページ目以降のフィルムを切り出せばボクの仕事はあらかた完了なのである。
 そして、『アカデミア』の発表ページと『まんカレ通信』の原稿をチェック。そろそろ次の『アカデミやんか!』のネームもやらねば!!
 明日はこのサイトに地図のページができると思われます。

9月30日(火)

 『墜落の背景 日航機はなぜ落ちたか』(山本善明)上下巻読了。これは元日本航空で安全管理、乗員の健康管理を行っていた部署の責任者が、退社後著した本で、主に「逆噴射」でおなじみの「羽田沖事故」と、長野県御巣鷹山に墜落した日航123便(B747-400SR)の事故について「日航側の視点から」書かれたものである。
 日航の危機管理のずさんさがわかったのもさることながら、健康管理面から「羽田沖事故」を詳細に語った本は珍しくも面白い。羽田沖・逆噴射事故では「心身症」という病名がマスコミでクローズアップされ、それが事故の原因だと刷り込まれていたが、厳密に事故の引き金になったのは機長の「精神分裂症」だったのである。「心身症」「逆噴射」という単語が一人歩きして、マスコミによってどれだけ刷り込まれたのかを身をもって知らされた。
 他にも「123便事故」を警察の視点から見た『墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便』(飯塚訓)、報道の視点から見た『日航ジャンボ機墜落』(朝日新聞社編)を併せて読むと、あの悲惨な事故が多角的に検証できて興味深いですぞ。興味のある方にはオススメです。ついでに『すっぴんスチュワーデス 教えてあげる!』(静月透子)はスチュワーデスから見た航空会社の事情がよくわかる迷著ですので、ご参考までに。
 本日は、朝から『コナン』の残りのフィルムを切り出し、あとの作業をスタッフに託す。その後『ガッシュ』4巻の画像データを整備(解像度を調整したり、CDに焼き込んだり)して、トビラ関係で使うデータのみをデザイナーさんにメールで送信。データがそろった段階で『ガッシュ』4巻は入稿。最後にスタッフの評価(バイト代の計算)をして、本日の業務は終了。これでもう、いっぱいいっぱいでした。地図をサイトにアップするどころではなかったことをお詫びします。ついでに『なぞなぞダイアリー』の表紙まわりを編集部とデザイナーさんに投げてしまったことも、重ねてお詫びします。編集部K元さんとデザイナーK宮山さんに感謝!
 最後に、『墜落の背景〜』の中で、パイロットの資質について書かれた部分が、とてもよかったので引用しよう。これはパイロットに限らず、どんな仕事においても、管理職が望む最善の新人像を具体的に表現した名解析である。


●適正因子…飲み込みが早い。すべてに意欲的で能動的(柔軟で機転が利き、思考に幅がある)。言動に誠意があり、信頼できる(責任感が強い)。感情面で成熟・安定しており、感情のコントロールがよい。訓練生としての自覚が充分あり、自己管理がよい。
●不適正因子…飲み込みが遅い。思考に幅がなく、応用が利かない(意固地、杓子定規、要領が悪い)。空中で能力低下が見られる。目標設定のレベルが低く、努力不足の傾向が見られる。ストレスや精神的打撃に対する抵抗力が弱い。突発事に判断・操作が粗雑になる。訓練生としての自覚に乏しく、自己管理が悪い。控え目、不活発、覇気がない(弱気、消極的、無愛想)。精神的に未熟で感情を外に表しやすい(怒りが爆発する)。暗示にかかりやすく、虚栄的で早合点の傾向がある。

 いろいろと思い当たりすぎて困る。