q-and-a.gif まんがなんでもQ&A《その他について・裏》

 Q06-001.まんがの賞を取った後で、どれくらいでまんが家になれますか?

 とりあえず人に聞くクセを直したほうがいいでしょう。新人賞発表のページを1〜2年も見ていれば、誰がどういう経緯でプロになっていったか、おぼろげにはわかるはずです。もしそういうことに興味があるのなら、自分で調べてみてはどうでしょう。興味があるものを調べていく能力が、まんが家には大切です。そして新人賞受賞後、プロになるまでに期間が長かったらどうしたいのでしょう?あきらめますか?それならあきらめてください。食い下がるつもりならば食い下がってください。アナタの人生ですから。

 Q06-002.まんがを描く時の心得を教えてください。

 ひとつだけ補足させてもらうとしたならば、「人に読んでもらうんだ」という意識を強く持ってください。読者に何を伝えたいのか、読者に何を感じ取ってもらいたいのか、その部分だけをしっかり考えて作品を作れば、それなりにいい作品になるはずです。技術がなくても読者のことだけを考えている作品には、必ず見るべきところがあります。

 Q06-003.持ち込みと投稿、どちらの方が受賞しやすいですか?

 とにかく受賞したいんですね。投稿や持ち込みについて考えるよりも、いい作品を描くことが最も受賞しやすいと思います。いい作品を描くためには、投稿よりも持ち込みのほうがいいことは間違いありません。何せプロの編集者が作品を見てくれるのですから。

 Q06-004.アシスタントになりたいんです!!

 アシスタントになりたい人には2種類の人がいます。文字通りの「アシスタントになりたい人」と、「プロになるために勉強したい人」です。前者は体力の続く限りアシスタントとして頑張ってください。後者であれば、まず作品を描いてください。少なくとも編集部の目に止まる程度の技術力がなければアシスタントとして採用されません。技術的に十分であると認められた場合、もしくは技術以外の部分で才能を見出された場合は、編集部が率先してアシスタントを斡旋してくれるはずです。どこでもアシスタント不足は深刻ですから。

 Q06-005.タイトルはどうやって描くのですか?!

 よくあるカワイイ質問です。「まんがの描き方」の本では十中八九解説されていることなので、そちらを読むといいでしょう。人に聞く前に、まず自分で研究したり勉強したりしましょう。

 Q06-006.タイトルはどうやって考えたらよいですか?

 これもまた「自分で考えなさい」的質問。巨匠・CばTつや先生は、連載時、作品のタイトルを100以上出して自分で50程度に絞り込み、それを編集者などに見せて最終決定をしていると聞いたことがあります。プロをしてそうなのですから、アマチュアは努力だけでもそれをしのぐ必要がある、とだけ言っておきましょう。

 Q06-007.応募の年齢制限はありますか?

 表向きは「年齢は関係ない」と言われることが多いですが、これは考えてみればわかるはず。15歳でデビューレベルの作品が送られてきた場合と、40歳で同等の作品が送られてきた場合とでは、明らかに前者の評価が高いのは言うまでもありません。現状での完成度に将来性が加味されて、その新人の評価になります。そしてこの現象は、少女まんがのほうが顕著に見られます。

 Q06-008.途中まで描いた作品を持ち込んでもよいですか?

 完成していない作品は「作品」ではありません。とは言うものの、最近ではネームを募集するケースも出てくるなど、完成原稿以外の部分で評価をする傾向もないとは言えません。自分は絵ではなく、キャラとストーリーと構成で勝負したいという人は、ネームで応募してみるのも一興かもしれません。ただしその場合、「人に読ませるネーム」であることを忘れずに。お話が完結しているということは言わずもがなです。

 Q06-009.スランプになったらどうすれば…?

 スランプなんて百万年早い!プロはスランプでもプロレベルです。プロのプロたるゆえんは、最高点が高いことは言うまでもなく、最低点も一定レベル以上あることです。低いレベルでスランプを感じたなら、まず精神修養をしなさい。好きなまんがを描くのに、集中力が発揮できなくて、どこで発揮するつもりですか!

 Q06-010.まんが家に必要な技術や知識は?

 いくら料理が好きで、技術や知識があっても、味音痴な人、味の嗜好に偏りのある人はプロの料理人にはなれません。まんがも同じ。技術や知識があっても、まんが作りの感性がない人はいくらやってもダメです。さて、その感性ですが、これは「好きこそものの…」としか言えません。挫折してしまう多くの人は、結論として「それほどまんがが好きじゃなかったんだ」としか言えません。ひとつだけ言えることは、独りよがりで作品を描かないということ。誰かに楽しんでもらうために…より多くの人を楽しませるために描くんだということを肝に銘じましょう。

 Q06-011.雑誌に投稿を考えているのですが、制作に使用したネームやプロットも作品と一緒に送るべきなのでしょうか?

 その余計な知識はどこから得たのかに興味があります。投稿で評価するのは完成原稿だけです。勘違いで得た知識を信じ込んだり、思い込みが激しい新人さんは非常に多いです。柔軟な思考と、すべての事柄に「理由」を求めましょう。「送るべき」だと信じ込む理由がわかりません。

 Q06-012.他の雑誌で受賞し担当がついているのですが、別の編集部に持ち込みしてもよいでしょうか?

 特に専属契約などをしていなければ大丈夫です。…が、もし現担当者が、親身になって指導してくれているのなら、仁義を通しましょう。ま、別の編集部に持ち込みたいと考えているということは、現担当に不満があると思っていいのでしょうか。集英社、講談社など、専属制がある出版社ではその契約に従い、小学館など専属制がない出版社では義理を重んじたほうがいいでしょう。

 Q06-013.投稿作品は、審査の時、絵と話のどちらを重要視しますか?

 とは言え、特に少女誌では、絵が即戦力でなければまず入選は果たせないでしょう。少女誌では、絵のていねいさ、繊細さに、暗黙の最低レベルがある場合が多いです。逆に少年誌では、絵はまったく下手でも大丈夫。しかし、ここで言う「下手」というのも、「最低限の伝わる絵」が描けてなければいけません。絵のうまいヘタと「伝わる絵が描けているかどうか」は別の問題です。

 Q06-014.合作でデビューしたいのですが、原作とまんがに分担せず、ふたりで両方やってもいいですか?

 藤子不二夫、ゆでたまご、中原裕、CLAMPの例を見るまでもなく、合作の成功例は数多いです。さいとうたかをもどおくまんも、個人名のように見えて、実はプロダクションとして何人もで作品を作っています。

 Q06-015.作品中にとあるミュージシャンの歌詞を引用したいのですが、使ってもいいですか?

 もっと野望を抱きましょう。歌詞を引用するのではなく、作品中で作った歌詞を、CDで発売したほうが楽しくないですか? 『チチをもげ!』が既成の曲であって、『金色のガッシュ!』でそれを引用していたのだとしたら、まったく面白くないでしょう。作品中で作った歌を、みんなに歌ってもらいたい!くらいの意気込みでお願いしますよ。

 Q06-016.セリフの文字の大きさは決まっているのですか?

 測れ! そんなことを教えてもらおうという気持ちがすでに…(以下略)。

 Q06-017.投稿作品のページ数が決まっていますが、それをオーバーしてしまったら?

 実際には、ページ数が規定どおりかどうかをチェックするのは、最後の最後です。ページ数がオーバーしている場合は、受賞して掲載…という段になって、担当者から「2ページ削れ!」なんてこともありえます。プロは、その程度のページの増減は、ちょいちょいと直してしまいます。そこにプロの構成力のすごさがあり、それができなければプロにはなれないということです。

 Q06-018.郵便でまんがを郵送した場合は、返却時にアドバイスなどはいただけないんでしょうか?

 担当がつくレベルに至るまでは独学で頑張りましょう。みんなそうしているのですから。担当がつけば、アドバイスはもらい放題です。編集者は暇ではないですので、絵を描いたことのない人にまでアドバイスしていたら、キリがありません。編集者のアドバイスを理解できるレベルまでは、自己を磨いてください。