q-and-a.gif まんがなんでもQ&A《道具について・裏》

 Q01-001.ペン先はいつ取り換えればいいの?

 最初にGペンを使った時は、「なんでこんな描きにくいモノで描くんだ?」と思ったことでしょう。しかしプロの道具というのはおしなべてみんなそういうものです。小さい頃、ノートをつけていて、鉛筆の芯を折った経験はないですか? 今はどうですか? それが答えです。赤ん坊にシャープペンを持たせてまともに使えるとは思えませんね? ペン慣れしていない人に、ペン先の換え時がわかるとは思えません。まず慣れること。それがすべてです。

 Q01-002.トーンはどうしても使わなくちゃいけないの?

 まんがの描き方に「基本」はあっても「ルール」はありません。トーンを使うも使わないも、作者の自由なのです。トーンに限らす、画材はすべて「表現のための手段」であり、「どうしたら自分のイメージを的確に読者に伝えられるか」こそが最大の命題です。自分の作品のためにトーンを使った方がいいのか悪いのか、考えることから始めましょう。

 Q01-003.ペン入れすると、ペン先が紙に引っかかったり、線がにじんだりしてしまいます。ペンを上手に使うコツはありますか?

 コツは自分で探すからこそ意義があります。人から教わったコツで何かができるようになったとしても、そこでもっと大切なモノを失っていることに気づきましょう。ペンは少し使えば「縦の線は描きやすく、横の線は描きにくい」くらいには気づくでしょう。じゃあ横の線をきれいに描くためにはどうしたらいいのか? それを自分で考えるのです。マギー司郎の手品を見て研究するのもひとつの方法です。わからない人は悩みなさい。

 Q01-004.ホワイトがベタっとしていてやりにくいんですけど、どうすれば上手くできますか?

 濃度とともに大切なのは、ホワイト選びです。ちなみにAだち充先生は、サクラのポスターカラーを使っています。手慣れてしまえばどんな道具でもアリなんですが、経験上、サクラのポスターカラーは濃度調節が難しいです。ニッカーも同様です。使いやすいのは、やはりドクターマーチン。またはミスノン。これらは粒子が細かくなめらかで、不透明度が高い。でも、それは自分で使ってみて判断すべきことです。

 Q01-005.まんがを描く際、つけペン以外を使ってもいいんですか?

 野球やサッカーにはルールがありますから、ルールで許されている道具以外では公式にはプレイできません。しかしまんがにはルールがありません。気をつけなければならないのは、「印刷に適しているかどうか」です。そして「表現に適しているかどうか」です。スポーツとまんがが違うのは、まずルールがあるのではなく、最初に表現があるということです。ただし、素振りをしない人には球が打てないのは野球と一緒です。

 Q01-006.よく背景が描かれたトーンが売られていますが、そういうものは使ってもいいのですか?

 背景の描かれたトーンを効果的に使うのは、プロにも難しいことです。自分の絵と、うまくなじませられる自信のある人は使ってもいいでしょう。また、「自分が描くよりトーンの背景のほうが上手い」と思う人は使わないこと。プロは背景トーンを「下手だけど時間短縮のために仕方なく」使っているのです。あんなトーンの絵が上手いなんて思ってるプロは、まずいないということを認識しましょう。効果線もしかり。